日本で代理母はやっぱりできそうにない。
日本で代理母をしよう。
前回のブログで話したように、
日本で妹とうちのパートナーが自宅で人工授精をしよう。(ブログ参照)
naokinzsocialwork.hatenablog.com
そんなことをなんとなく話し、妹が旦那さんと話してみる。そんなことで話は止まっていた。その結論から言えば、旦那さんとはまだ話せていない。
ただ、それよりもそのプロセスでは、認められそうにない。
日本にいる弁護士さんと上のプロセスでいけるかどうか総ン段下。
簡単に言えば、妹が自宅で人工授精をして、妊娠・出産をして、その子供を私が養子にもらう。それが法律的に可能なのかどうか。
日本側の回答では可能ということ。
もちろん、妹の旦那さんの子供として認知される(嫡出推定)ため、今後、相続などで問題は残る可能性はあるけれども、旦那さんがそれでよければ可能。
ただ、問題はNZ側の規定にある。
NZ政府は、日本でも法律に沿った形で”代理母”を通じた子供として認知されており、そして合法的に子供がNZに連れてこられた子である必要があることを明記している。そして、それを証明する書類を提出する必要があるとのこと。
そのため、僕らのやろうとしていることは、代理母を通じた子供ということを日本側では宣告しないため、NZ側が受け付けない可能性があることをNZ側の弁護士さんにいわれた。
そもそも、代理母は違法ではないけれども、法制化されておらず、医学界では御法度のような立ち位置の日本において、私たちがやろうすることは、プロセス上、そのことを宣告する場面はなければ、宣告しなくても済む問題のはず。むしろ、宣告したら、確実に、ものはややこしくなる。先例がないため、何年も裁判で戦い、その挙句、親権が私に渡されない可能性もある。これは無理だ。結果、子供を日本に置いていくことはできない。
NZ側でも黙ってて、ただの国際養子として、NZに連れてくればいいではないか?なんてふと浮かぶけど。これは、いくつか前のブログで紹介したが無理。
日本がハーグ条約を批准していない為、国際養子の子供をNZに連れてくることはできない。
naokinzsocialwork.hatenablog.com
そうね。
難しいね。
そういえば、
NZの政治家Tāmati Coffeyが先日、代理母で息子さんをもうけましたね。
代理母を通して、ゲイカップルが子供をAuckland Fertility Associatesで子供を設けるのは4組目と、インタビューでいってました。
NZ$40,000(300万円くらい)かかったといっていました。NZ人(旦那さんはイギリス人)がNZ国内ですべての手続きをしたとしても、$40,000か。。海外でやるとしたらその何倍もかかるんだろうなぁ。
でも、この人たちのドキュメンタリーはすごく心あたたまる素敵なものでした。
英語ですが時間がありましたらぜひ、見てみてください。
妹と母と代理母について話す
自分たちのためではなく、誰か他の人のために、子供を産もう、って思えるってどういう気持ちなんだろう。他の人のために子供を宿し、その子供を差し出す。それってどういう気持ちなんだろう。
代理母の話をして、パートナーのお母さんが代理で産んでくれるっていってるんだけどね、年齢の壁とか、いろいろあるから、難しいよね。なんて、何の気なしに妹と電話越しに話していた。
あのとき電話越しに妹が”私、産むよ”って言ってくれたこと。
あの言葉を僕は一生忘れないと思う。
それから数日してまた改めて弁護士さんと話して、妹が代理母になってもらうのが最も現実的なプランであることを確認し、妹ともう一度連絡を取ることにした。
あの時の言葉を頼りにだけして話をこれ以上進めるわけにはいかない。
ちゃんと話して決めてもらわないといけない。
妹と電話越しに緊張しながら話を進める。
妹にすべてのことを考慮して決めてほしいことを伝える。
二回出産を経験している妹は、当たり前に知ってはいることだけど、妊娠と出産は体への負担がもちろんある。
それにプラスして、心への負担。
子供たちへの説明。旦那さんへの負担。
赤ちゃんをお腹に宿し、その子供を手離し人に差し出すこと。それが妹自身と旦那さん、姪っ子たちに与える影響。
僕らが赤ちゃんをもらい受けたあと、周りの人から妊娠していたときの赤ちゃんはどこに行ったの?なんて姪たちの前で聞かれるかもしれない。そういうのも負担になるかもしれない。
考えられるいろんなことを妹に説明した
カウンセリングも紹介した。何度行ってもらっても構わないから、サポートはやれるだけのことはもちろんすべてやることも伝えた。
妹にとって何も得られることのないことを僕らが頼んでいることを、重々承知していることも伝えた。だから、それでもやってくれるなら本当に心の底から嬉しい。
だけど、やっぱり難しい、って思う点が少しでもあるなら、断ってくれていいから。
妹の人生、妹の家族の人生まで影響を受けることを頼んでるんだから、断られて当然のことを頼んでるんだから、、あの”産むよ”の一言だけで、どんなにうれしかったか。だから、本当にありがとうね。と気持ちだけ伝えて、電話を切る。
それから、改めて一時間もしないうちに母親から電話がかかってくる。
妹から電話がかかってきたよ、とのこと。
真剣に悩んでた。いろんなことを考えて泣きながら話してたよ。
それでも、僕らのために代理母になりたいっていってたこと。旦那さんとも時期を見て話すつもりだって言ってたよ。
そうか。それだけでもう幸せだわ。なんて思ったら涙が止まらなくて。
なんて幸せなんだろう。
母親がそれから続けて訊ねる。
もし、妹の旦那さんが難しそうだなってなって妹に頼まなくても、可能性あるんだよね?前にも言ってたじゃない、海外に行けば、1千万円以上かかるけど、代理母できるって。もし、そうなったらね。お母さんもローン組んで一緒に払うから。お母さん、いっぺんにそんなには、払えないけど、みんなで払えば、たいしたことないよ。私の子供たち二人ともが幸せになってくれれば、それだけで幸せだから。
また泣く。
離れていても、幸せだな、って。
普段、こう遠くにいると家族の愛とかってあまり感じることもないし、
苦悩の多い家族関係だったけど。
まだ妹の答えは妹の口からは聞けていないし、たとえ答えができないだったとしても、
僕は言葉にすると陳腐だけど、今日の日のことやここ数週間の家族との会話を胸に前進できるような気がしている。
日本から国際養子はもらえない?
ソーシャルワーカーとの面談を終えて、
すぐに弁護士と連絡を取るように勧められました。
日本でやるにせよ、フィリピンでやるにせよ、NZでやるにせよ、養子手続きには弁護士が必ずかかわってくる関係で法手続きをクリアにしておくようにとのことでした。
ソーシャルワーカーから紹介された弁護士2人と、Oranga Tamariki(NZの養子手続きなど子供にかかわる福祉を扱う政府機関)から紹介された弁護士に連絡をとった。
現在の現実的なプランとして、下記のことをそれぞれの弁護士に伝えた。
日本にいる妹に代理母になってもらう。NZにきてもらい、NZで妊娠をして、安定期に入ったら日本に帰国して、日本で出産。日本で僕が養子手続きをして、その子をNZに連れてきて、再度、僕らの子として養子手続きをする。
まず、返事を一番にくれた弁護士さん曰く、日本からNZに子供を連れてきて養子にすることは許されていないとのこと。
An intercountry adoption could not occur because Japan is not a member of the Convention of 29 May 1993 on Protectioon of Children and Co-operation in Respect of Intercountry Adoption. 日本が国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関する条約を批准していないため、日本との国際養子縁組は認められない
またか。また、高い法律の壁がいろんなことを阻む。もう慣れてるんだよね。
国際養子縁組は、
(1)養子を送り出す国の中央当局は、子は養子縁組が可能であり、実親はカウンセリングを受け、国際養子縁組が子の利益のために最善であることを証明すること、
(2)受入れ国の中央当局は、養子縁組を予定している両親は、養子縁組の資格があり、かつ適切であること
を証明できる場合にのみ行われます。
日本はこの条約を批准していないために、国際養子縁組に関しての決まりごとはありません。そのため、海外に実は簡単に子供を連れていけちゃうんですよね。
だからこそ、NZ政府は、どのような手はずを踏んで連れてこられたわからない日本からの子供を養子縁組させるわけにはいかないというのが見解みたい。
弁護士三人のうちすぐに返事の来た2人からは同じ返事だった。日本からは難しいから、ほかの方法を一緒に考えましょう。とのこと。相談したかったら、500ドルからね!とのこと。
法律の壁は越えられないんだよな、やっぱり。ゲイだから、ってだけで諦めないといけないこと、知ってはいたけど、こんなにたくさんあるんだね。
どうしようか。なんてことを話していたら、
最後の弁護士さんから連絡をもらう。
日本が批准している以内にかかわらず、国際養子縁組を取ることは可能とのこと。その弁護士さんは初めての会話であれば無料。2回目以降お金を取るとのこと。
早速、弁護士さんとアポを取り、スカイプで面談。
弁護士さん曰く、国際代理母養子縁組と国際養子縁組では、枠組みが違うらしく、国際代理母養子縁組であれば日本からでも養子にはもらえるとのこと。
また、NZではなく、できるのであれば、日本ですべての手続きをしたほうが、手間もお金もかからないとのこと。
つまりは、日本で妹が妊娠から出産までして、その子供を養子縁組して、日本に連れてきて、こちらで改めて養子縁組するとのこと。
そうすれば、倫理協会の審査もない。ただ、問題は日本が代理母を進めていない以上、病院で僕のパートナーと妹が不妊治療を行うことはなできない。
そのため、薦められたのはいわゆるシリンジ法での妊娠。
採取した精子をシリンジを使って、女性の膣内に注入する方法をシリンジ法。
何らかの理由で性交渉ができないカップルや、男性がED(勃起不全)の方には気軽に始められるオススメの妊活方法とのこと。
そうか。いろんな方法があるのね。
弁護士さんは手続きや調べないといけないことが多いから、早めに計画を立てていきたいですね。とのこと。
弁護士さんから言われたのが、妹とその家族が本当に代理母になってもいいのか、確認を取ること。
もし駄目であったとしても、うちのパートナーの母親を通しての代理母、それか最後はアメリカ、ロシア、ウクライナ、ジョージアなどの海外で商業代理母もできるから、世界の終わりのようには考えないで、とのこと。(調べたところによると、ロシア、ウクライナ、ジョージアはゲイカップルは代理母妊娠ができないようです。)
面談が終わり、日本でするのが一番現実的なプランであること。
ただ、こればかりは妹とその家族次第。
改めて日を置いて妹と話そう。
ソーシャルワーカーとの面談と代理母を頼む葛藤。
先週末のお医者さんとのアポイントメントから週末をはさみ、月曜日の朝8時、僕らはまた病院にいた。
今日は、カウンセラー兼ソーシャルワーカーさんとの面談。養子縁組、代理母、といったプロセスに詳しいプロフェッショナル。(代金は190ドル)。
話した内容の大まかな内容は以下の通り。
1.海外で代理母が子供を出産し、NZに連れてきて養子手続きを踏んだ場合、弁護士手続きの費用で$30000はかかる。(ケースバイケースらしい)。これはNZ側のみの話で、産んだ国でも養子縁組は必要となるので、そこでも弁護士を雇う必要がある場合は別途かかる。
2. 日本は卵子提供に制限がかかっているため、妹が卵子提供者になる場合、NZにこないといけない(4週間程度)。ただ、日本で禁止されている卵子提供を日本人がNZで行う場合、NZの倫理協会からの同意が受けずらい可能性があること。
3.倫理協会などもないアメリカで体外受精するのも選択肢として含めるとよい。(手続きは簡単だが、お金がかかる。)最近のケースで、$130,000かかったとのこと。
4.代理母と卵子提供者が同じであれば、体外受精ではなく、膣内注入法で可能なため、値段は安くなる。ただ、ひと月ごとに結果を待たないといけない。
5.NZで出産をした場合、養子手続きは簡単になるものの、NZ市民/永住権保持者ではない場合、補助が出ないため全額自腹。
6.NZで体外受精もしくは膣内注入法で妊娠をして、安定期に入り、日本もしくはフィリピンに帰国し、出産のタイミングでNZに戻ってくるのは、倫理協会的には認められない。なぜなら、早産の可能性があるため。(代理母妊娠の前に、倫理協会にすべての予定を事前に言わないといけない。それが承認されないとそもそもプロセスに入れない)。
7. NZで妊娠から出産までいる場合、代理母も合算して最低でも1年半はNZにいないといけない。出産の後に、家庭裁判所で養子の手続きがあるため。
8.そのためのビザはどうするのかというと別問題なため調べないといけない。
上のことが大まかに1時間で話し合った内容。ソーシャルワーカーさんは、改めてオーストラリアのお医者さんで実際にゲイとして代理母出産を行い、ゲイのための代理母出産をサポートしている方を紹介してくれるとのこと。
面談終わり、パートナーを職場まで送り、僕は仕事まで時間があったので、友達にあう。
家族のいる友人(男性、ヘテロセクシュアル)に、奥さんのお兄さんにもし奥さんに代理母頼まれたらどうする?と聞いたら、いやかな。だって、出産立ち会って本当に辛そうだったから。
奥さんがやりたいといっても?
それでも反対するかも。
そうだよな。自分の奥さんに、代理母なりなよ、なんてなかなか言えないよな。
その答えを聞いて、少し現実に引き戻された気がする。
ただ、僕はまだわからない。旦那さんに断られても頭下げてまで頼むかどうか、そこまでは決めきれないでいる。
妹の家族の了承を得られないで、代理母になってもらう、自分のエゴじゃないのか。
まだ、何も決まってもいないのに、葛藤している。そんな一日。
お医者さんとの初診。お金の話や、誰が代理母の候補になれるの?っていう話をきく。
不妊治療専門病院の待合室。
検査結果を待つ僕らは二人ともそわそわしていた。
二人の精子次第で、これからの計画が変わる。
待っている間に、自分たちで事前に記入したフォームに目を通す。
不妊治療病院では初診の前に、自分たちで記入するフォームがある。
ヘテロセクシュアル用にデザインされているフォーム。
あなたたちは、どれくらい子作りに励んできたか?という質問。
僕らの場合はもちろん無記入でいいのだけれど、なんだかね、きっとゲイカップルで代理母なんて特例のような感じなんだろうね。なんて二人で言葉を交わす。
いざ、先生に呼ばれて、診断室に通される。
すぐに、血液も精子の方も問題がないことを先生から伝えられた。
先生から一通りの代理母のプロセスが伝えられる。
ほぼほぼ事前に知っていた情報通りだけど、NZで代理母が出産するか海外で出産するかでだいぶ状況が変わるみたい。
NZで出産する場合は、倫理協会(ECART https://ecart.health.govt.nz/about-us)からの承認が降りない限りは体外受精が始められないとのこと。この倫理協会では、代理母のヘルスチェック(身体的なものだけではなく精神的なもの含む)とカウンセリング、卵子提供者の卵子状況とカウンセリング、僕ら二人のカウンセリングなどを通して、子供を代理母を通して作ることにふさわしく、子供を作る過程やその後に問題が発生しないかどうかを精査され体外受精を始めることへの許可/不許可が出るとのこと。
話を聞きながら、僕らのプランを伝える。
まず、僕の妹(26歳・日本在住)が卵子提供、そして彼の母親(46歳・フィリピン在住)が代理母で可能なのかどうかを尋ねた。先生いわく母親側の年齢が少し懸念されるものの、可能ではあるとのこと。Oranaga Tamarikiに以前確認を取ったところ、母親は厳しいとの指摘を受けたことを伝えたが、先生いわく、それは関係ないし、プロセスに影響は受けない、とのアドバイスを頂いた。
ただ、彼の母親もうちの妹も、カウンセリングも卵子提供も全てNZで行われないといけないとのこと。Skypeでカウンセリングは今までは可能だったものの、今は色々あり対面が推奨されているみたい・・・。妹の卵子提供に関しては最低でも3週間は滞在して欲しいとのこと。
コストの面でもお話をしていただきました。
ケースバイケースとのことでしたが、僕たちの場合は下記が大体の費用とのことでした。(NZ$)
体外受精一般費用(一回につき)ーこれは体外受精の基本料金
$8650
それに関わる薬代
$2500 - $5000
卵子提供者の卵子を使用する場合の体外受精は上の値段に加算
$4820
代理母を使用しての体外受精はさらに加算
$2455
ECART申請費
$3090
合計: NZ$21515 - 24015
日本円にすると(NZ$1=70.4843円)
151万6469円ー169万2680円
それプラスで、
弁護士費用だったり、飛行機代、その他出産に関わる費用がかかってきたら、
いくらかかるのかしら・・。
一応、費用に関してはリンクを貼っておきます。
この費用に関して、ヘテロセクシュアルカップルとレズビアンカップルには、国からの補助が出る可能性があることを知っていたため、ゲイカップルはどうなのか、確認を取ったところ。適応されないとのこと。
国の政策なので、こればかりは文句言ったところで、というところではあるけれども、納得がいかない分野ではある。ただ、ゲイカップルが代理母で子供を産み、その子供を養子にすることができるという道があるだけでも、喜ぶところなのかもしれない。
ただ、今回の面談で本当にいろんなことが明確になってきた気がする。
最後、先生から大変だけどうまくいくよ、諦めないで。って。
男性同士の代理母はクライストチャーチでは前例がなく、オークランドでも何件しかないよ、とのこと。
そうか。なんだか、先駆者みたい。
楽しみだなぁ。
家に帰って早速、妹に電話をする。
こんなことがあるからいつか1ヶ月くらいきてもらわないといけないかも。っていう話をして、相手のお母さんが代理母してくれるかもだけど、年齢が少し懸念みたいだわーって話をしたところ、私が代理母してもいいよ。と一言。
旦那とも話すけど、ただ妊娠してる間NZに住まないといけないなら、子供たち(二人)も一緒に連れていきたいとのこと。だから、学校とかもそうしたら調べないと。
すごくすごくありがたい話で。
本当に。
嬉しくて嬉しくて。感謝しか出なくて。
まだどうなるかわからないけれど、義母さんとうちの妹。
いろんなことを考慮して決めていかないとなぁ。
幸せだなって。
あー幸せだなぁ。って。
次はソーシャルワーカーさんとのカウンセリング。
明後日、月曜日の朝8時。
親にカミングアウトしたときのこと。
僕は21歳の時に親と友人にカミングアウトした。
というよりかは、事の発端はFacebookで知らない間にカミングアウトしてた。
今のパートナーがFacebookで、Relationshipを知らない間に大公開していた。
隠し続けるつもりもなかったのだけれども、ここまでしてしまうともうどうしようもうもない。カミングアウトしよう。
そんなことがきっかけ。
いろんな反応が勿論あった。応援してくれる人がもちろん多かったのだけれど、
そういうのは無理・・と直接言われ、去っていった人もいる。
そんなもんだろうなぁと思ってたし、むしろもっと嫌な反応ばかりくるものだと思っていたから、安堵したのは本音。
親にはどうしようか・・と悩みはしたけれども、Facebookには叔父叔母、いとこ、妹も友人でいる。遅かれ早かれ、親に知れ渡るのであれば、自分の口から言いたい。そう思った。
本当は親に言わずに、隠し通して生きていくつもりだった。
ゲイであることなんて言わなければわからないのであれば、わざわざ関係が悪化することなんて言わなくていい。
それに、どんな反応するかだってわからない。下手したら、縁を切られる可能性すらある。
ただ、もう大学4年生。
単位も取り終えた。
これからの自分の人生、親に頼らずとも生きていける。
もう、日本で生きていくつもりもない。海外で生きていく覚悟をした。
だから、自分に素直になろう、とカミングアウトすることにした。
縁を切られる覚悟で。
うちは両親が離婚しているので、別々に話をした。
どちらから先にということもなかったけれど、
母親と暮らしていたこともあり、キッチンで料理をしていた母親に、声をかけた。
そのときの空気感、鮮明に覚えている。
話があるんだよね。大事な話。
何よ。
それから流れる長い沈黙。言いたいけど、出てこない言葉。
申し訳なくて、申し訳なくて。
母親が重たい口を開く。
もしかして、人殺したの?
あ、人は殺してない。人は殺してない。
だったら、なんでもいいよ。なんでも聞ける覚悟できたよ。
と言われた。それを言われてすごくホッとした。
彼氏がいてね、ゲイなんだよね。
あーそうなの。そうか。
小さいころからセーラームーン大好きだったしね。なんか、そんな感じしてたよね。素敵な人なんだろうね、いつか会わせてね。
それが母親の感想。
父親は、
川の土手を一緒に散歩しながら、タイミングを待って。ゲイで彼氏がいることを伝えた。
そうか、と言われ、ハグしよう、といわれ。親子二人ハグ。
言ってくれてありがとう、と一言。
うちの親はどちらもありがたいことに理解を示してくれた。
ありがたい。
今では、彼も含めて家族で日本に帰ると旅行までする仲だ。
カミングアウトなんてしないですむならしない世界になってほしい。
わざわざ、ゲイの僕らが、気を張って緊張して否定されることを恐れながら、ゲイであることを人に言わなくて済む、そんな時代が来てほしい。世界になってほしい。
いつか自分の子供が生まれたときには、その子にとってもその周りにとってもそれが普通の世界になっていてほしい。
初めての不妊検査
NZのクライストチャーチで不妊治療専門の病院といえば、
Fertility Associates || Fertility Associates Christchurch
というよりかはここ以外の病院は見つかりませんでした。
まず、電話なりemailなりで予約を取りましょう。
僕らは最初の診断まで3週間待ちでした。。(明日が初診)
初診:$285となります。
それ以外にも、精子検査と血液検査でそれぞれお金がかかります。
精子検査は$115ずつ。血液検査はそれよりも安いはず。
僕たちは、うちのパートナーの精子を使うつもりでしたが、病院には念のため二人分、検査をするようにといわれ、二人分の検査をしました。明日、検査も発表です。
それらの検査は初診の1週間前には済ませておいてほしいとのことで、どちらも平日のみ対応だったので、彼とは別々に行きました。
精液検査は初めてで、射精後1時間以内に指定の検査所まで持ってきてとのことでしたが、場所が遠くて・・w
その精液検査後、血液検査へ。
血液検査では、相変わらず針が怖くて、息を荒げて泣きそうになっていたところ、
看護師さんに、”your wife will go through more of this. so you have to be patient"と言われました。直訳すれば、奥さんはこんなようなことをもっと経験するんだから、お前がんばれよ!的な。
はて、、なんのこと、、と一瞬思いましたが、あーこの人、僕には奥さんがいて二人で不妊治療をするものだと思っているんだ。
そうだよな、そう思うよな。男二人で、ってまさか思わないよな。
いや、NZでもこんなもんだよな、なんて。
職場の上司(ソーシャルワーカー/レズビアン)に、NZの医療の現場では、LGBT差別は割とひどいよ、と昔聞いたことがあります。まさか、NZの医療現場で。だって、医療現場ってそういう面で特に気を付けないといけないところじゃない。だから、医療現場でまさか、そういうassumption(予想-証拠もなくそうだろうと決めてかかること)で会話を進められることになるなんて思わなくて。
ただ、差別をされたまでは思わないけれども、ゲイカップルが代理母で子供を持つことはケースとしては多くなく、そういう想定で話をしてしまうことももちろんあるよ。
ここで声を上げること、それこそが正しいソーシャルワーカーのはずなのに、あははですませた自分も許せない、なんて思ったりもします。
こんなことがあったんだよ。ってうちのパートナーにしたら、彼も同じ経験を違う検査所でしたwっていう話をしてて。
そうか、二人ともが同じ経験をしてしまうくらいには、NZでは、本当に珍しいんだなー。
そんな珍しいことを二人の母国でもない国で、これからするのか、なんて思ったり。
赤ちゃん、いつであえるかな。楽しみだな。