ゲイカップル代理母で親になる??in New Zealand

僕らが見知らぬ国で赤ちゃんと出会い家族になる軌跡。

妹と母と代理母について話す

自分たちのためではなく、誰か他の人のために、子供を産もう、って思えるってどういう気持ちなんだろう。他の人のために子供を宿し、その子供を差し出す。それってどういう気持ちなんだろう。

 

代理母の話をして、パートナーのお母さんが代理で産んでくれるっていってるんだけどね、年齢の壁とか、いろいろあるから、難しいよね。なんて、何の気なしに妹と電話越しに話していた。

 

あのとき電話越しに妹が”私、産むよ”って言ってくれたこと。

あの言葉を僕は一生忘れないと思う。

 

それから数日してまた改めて弁護士さんと話して、妹が代理母になってもらうのが最も現実的なプランであることを確認し、妹ともう一度連絡を取ることにした。

あの時の言葉を頼りにだけして話をこれ以上進めるわけにはいかない。

ちゃんと話して決めてもらわないといけない。

 

妹と電話越しに緊張しながら話を進める。 

 

妹にすべてのことを考慮して決めてほしいことを伝える。

 

二回出産を経験している妹は、当たり前に知ってはいることだけど、妊娠と出産は体への負担がもちろんある。

それにプラスして、心への負担。

子供たちへの説明。旦那さんへの負担。

赤ちゃんをお腹に宿し、その子供を手離し人に差し出すこと。それが妹自身と旦那さん、姪っ子たちに与える影響。

僕らが赤ちゃんをもらい受けたあと、周りの人から妊娠していたときの赤ちゃんはどこに行ったの?なんて姪たちの前で聞かれるかもしれない。そういうのも負担になるかもしれない。

考えられるいろんなことを妹に説明した

カウンセリングも紹介した。何度行ってもらっても構わないから、サポートはやれるだけのことはもちろんすべてやることも伝えた。


妹にとって何も得られることのないことを僕らが頼んでいることを、重々承知していることも伝えた。だから、それでもやってくれるなら本当に心の底から嬉しい。

だけど、やっぱり難しい、って思う点が少しでもあるなら、断ってくれていいから。

妹の人生、妹の家族の人生まで影響を受けることを頼んでるんだから、断られて当然のことを頼んでるんだから、、あの”産むよ”の一言だけで、どんなにうれしかったか。だから、本当にありがとうね。と気持ちだけ伝えて、電話を切る。

 

それから、改めて一時間もしないうちに母親から電話がかかってくる。

 

妹から電話がかかってきたよ、とのこと。

真剣に悩んでた。いろんなことを考えて泣きながら話してたよ。


それでも、僕らのために代理母になりたいっていってたこと。旦那さんとも時期を見て話すつもりだって言ってたよ。

 

そうか。それだけでもう幸せだわ。なんて思ったら涙が止まらなくて。

なんて幸せなんだろう。

 

母親がそれから続けて訊ねる。

もし、妹の旦那さんが難しそうだなってなって妹に頼まなくても、可能性あるんだよね?前にも言ってたじゃない、海外に行けば、1千万円以上かかるけど、代理母できるって。もし、そうなったらね。お母さんもローン組んで一緒に払うから。お母さん、いっぺんにそんなには、払えないけど、みんなで払えば、たいしたことないよ。私の子供たち二人ともが幸せになってくれれば、それだけで幸せだから。

 

また泣く。

 

離れていても、幸せだな、って。


普段、こう遠くにいると家族の愛とかってあまり感じることもないし、

苦悩の多い家族関係だったけど。


まだ妹の答えは妹の口からは聞けていないし、たとえ答えができないだったとしても、

僕は言葉にすると陳腐だけど、今日の日のことやここ数週間の家族との会話を胸に前進できるような気がしている。